興学布教研究大会

今日は、本山で、興学布教研究大会があり、司会を務めさせていただきました。

一人目の発表者、中川鳳瑞さんは、「次世代につながる寺院活動の研究-評価体制の構築を観点として-」という講題で発表されました。
評価体制を構築することの意義と、評価することで危惧される課題とを合わせて論じて、寺院活動の評価体制ということそのものを論じていただきました。

午後からの質疑応答での内容も踏まえると、寺院を預かる住職としては、次のようなことを提言されていることになるのかなぁ、と思いました。

「寺院にとって、これからは困難な時代になることが予想される。それぞれの寺院が自身の長所や強みを自覚しているならそれを伸ばしていけばいいが、自分の寺院の特徴や長所を把握していなくて何をすればいいか分からない場合や、長所は自覚しているもののそれをどのように発展させればいいか分からない場合は、第三者評価を利用することによって、自分では見えていなかった寺院の長所や不備を明らかにすることができるので、それを元に次世代へつながる寺院活動の足がかりにするといいのではないだろうか」ということになるのかな、と。

二人目の発表者、松谷慧光さんは、「真慧上人の名号観」について発表されました。
真慧上人の名号には、左右に「善導大師、法然聖人、親鸞上人、真仏上人……」という名前が記されています。なぜ、その相承が記されているのか、またなぜ善導からなのか、などについてお話しいただきました。

三人目の発表者、安田真源さんは、「慈悲の父母」として、ご法話いただきました。
ご自身の子育ての経験を通して、「子のためと言いながら、自分のためではないか」ということや、「人のことなら言えるのに、自分のことになると見えなくなってしまう」ことなどを例を挙げて話され、「自分を見つめる」ことの大切さをお話しいただきました。午後の質疑応答では、「自分を見つめる」ということは、自分でできることではなく、思い通りにならないことが起こってきたときに知らされることであると教えていただきました。

午前の発表の後、昼食を挟んで、午後からは座談会(質疑応答)がありました。
活発な質疑応答がなされ、有意義な時間を過ごさせていただきました。
発表されたみなさんはもちろん、参加されたみなさん、ありがとうございました。