導かれている

7月7日(水)は、津中日文化センターで『浄土三部経を読む』の講座の日でした。今回、『阿弥陀経』を読み終え、これで『浄土三部経』すべてを読み終わったことになります。8月、9月の2回で、これまでのまとめを行い、10月からは新しい講座が始まります。今度は、「正信偈」や「文類偈」を読んでいこうと思っています。

さて、今回は、『阿弥陀経』の「倶会一処」について「お浄土でまた会える」ということを親鸞聖人や法然上人のお手紙を通してお話ししました。

そして、お浄土に往生するということは、ただ懐かしい人に会って安らかに過ごすというのではなく、往生して仏になったら、今度は還相の菩薩となって、この世の人々を救うという大きな仕事があるんですよ、とお話ししました。

そして、その例として、竹下昭寿さんの日記を紹介させていただきました。『親鸞に出遇った人びと』第3巻に収録されているものです。

竹下昭寿

竹下昭寿さんは、昭和3年に長崎県に生まれ、昭和34年に30歳で往生された方です。死後に枕元から一冊のノートが見つかりました。そのノートには、日記の形で、親しい人びとへの別れの言葉が書かれていました。それを少し紹介させていただいたのでした。その中にこんな言葉がありました。

私もお浄土にいったら、あまたおわす仏さまたちの末席にはべらせてもらって、「神通方便をもて、まづ有縁を度す」大事業の一翼をになわせてもらいましょう。
(『親鸞に出遇った人びと』99頁)

そう、お浄土に往生したら、縁のあった方々を救う大事業をさせていただくのです。のんびり休んでいるのではないのです。

そういう竹下昭寿さんのお言葉を紹介したあと、昭寿さんの臨終の様子を記された昭寿さんのお兄さんの文章を紹介させていただきました。そのお兄さんの名前は、竹下哲さんといいます。

講座を終え、家に帰って、翌日の短大の授業の準備をしていると、坊守(妻)が来たので、この間、たまたまyoutubeで見つけた東井義雄さんの動画を二人で見ました。東井さんの本はよく読んでいましたが、声を聞くのは初めてでした。いい動画でした。

その動画の中で、東井さんが「たけしたさとし先生」とおっしゃいました。え? 竹下哲先生? 今日お話ししたとこ!!

私も講座で「さとし」と読みましたが、実際には「さとる」とお読みするようです(ウィキペディア(Wikipedia)情報)。ですが、逆にだからこそ、「あ!」と思わさせられました。今日お話しした人が、今聞いている動画の中で話されている、と。

竹下昭寿さんのことは、これまでにもいろんなところでお話しさせていただいていました。けれど、そのお兄さんの竹下哲さんのことは、正直、私はあまり知りませんでした。けれど今日、東井さんの動画で、ああ、素晴らしい方なんだということを改めて知らせていただきました。

今日、『阿弥陀経』の六方段についてお話ししていたとき、諸仏証誠ということをお話ししたあと、それだけではなく「私たちと同時代に生きているいろんな方が、阿弥陀仏をほめられているんです」ということを話させていただきました。そして、「今は、ネットもありますから、youtubeなどでも、いろいろ諸仏が讃嘆されているのを聴くことができますよ」と言って、この東井さんの動画も紹介いたしました。まさかここでこんな風にリンクしてくるとは思ってもいませんでした。ありがたいことです。なんまんだぶ、なんまんだぶ。

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