自己肯定感
昨日(23日)、古本屋で、何冊か本を買いました。その中にあった、水島広子著『自己肯定感、持っていますか?』という本を、今日(24日)、読みました。
先日いらっしゃった小学校の先生が「自己肯定感の低い子が多いので…」とおっしゃっていたのが気になっていたので、タイトルだけで買った本です。なので、正直あまり期待はしていなかったのですが、思った以上に考えさせてくれました。
一言で言えば、「他人を、評価を下さずに、無条件にリスペクトしてみる」ということを説いている本です。
「他人を無条件にリスペクトする」ってのは、「常不軽菩薩」だなぁって思いました。
常不軽菩薩というのは、『法華経』に出てくる菩薩のことです。誰に対しても「あなたを敬います」と礼拝していた人です。ですが、みんなからは罵られたり、石を投げられたりしていました。それでも、めげずに、みんなに「私はあなたを軽んじません。あなたは仏になる人なんですから」と言って礼拝し続けていました。まさしく他人を無条件にリスペクトしていた人です。ちなみに、「常不軽」という名は、みんなに対し「軽んじない」と言っていたので、付けられたあだ名です。そうそう、宮沢賢治の「雨にも負けず」は、この常不軽菩薩がモデルとも言われています。
また、「暴力がふるわれるときというのは、実際には、暴力をふるっている本人が「助けて」という心の悲鳴をあげている場合が多いもの。本来助けを求めているだけなのに、助けの求め方を知らなかったり、不器用すぎたりするために、暴力という行動をとってしまうのです」(70頁)という箇所は、寮美千子著『あふれでたのはやさしさだった』を思い出させました。
「温かく、自分についても他人についても、「ありのまま」を肯定でき、もちろん自己肯定感を高めるもの。病気すら治す力があるもの。」(138頁)それが可能になる場所が、安全な場所。「安全な場所とは、自分に評価を下されない場所。決めつけられない場所です。」(139頁)
ああ、『あふれでたのはやさしさだった』に書かれていた奈良少年刑務所の「絵本と詩の教室」は、「安全な場所」だったんだなぁ、って思いました。
他にもいろいろ考えを深めたいと思う言葉に出会えた本でした。