5月の仏教入門日曜講座
5月20日は、仏教入門日曜講座があり、縁起についてお話ししました。
すべては関係し合っていること、そのそれぞれ一つ一つが等しく尊いこと、そのことを本当に知るとき感謝や慈悲が生まれること、などなど。
そして最後に、内田美智子さんの『いのちをいただく』を朗読して、紹介させていただきました。
この本については、『よびごえ』にも書かせていただいたことがあります。(いのちをいただく)
内田さんは、この本のあとがきに、こう書かれています。
「私たちは生まれ、いまここに生きています。それ自体すごいことです。しかし、それはたくさんの命を頂いているということです。いろんな命を奪っているということです。
私たちは、奪われた命の意味も考えず、毎日、肉を食べています。自分で直接手を汚すこともなく、坂本さんのような方々の悲しみも苦しみも知らず、肉を食べています。
「いただきます」も「ごちそうさま」も言わずにご飯を食べることは、私たちには許されないことです。食べ残すなんてもってのほかです。」
なぜ、内田さんはこう言われるのだろうと思われた方は、この本を読んでいただければ、と思います。
今回の講義では、まとめとして、こうお話しさせていただきました。
慈悲は、悲しみから生まれます。他のいのちの幸せを願い、その実現を目指すべきでありながら、実は、他のいのちを奪ってしか生きられない自分であることを、悲しみとして自覚するときに初めて、生きとし生けるものに対する感謝と慈愛、すなわち慈悲の心が育まれるのです、と。
来月の6月17日の仏教入門日曜講座で、2年前から始めたこの講座をひとまず終えようと思っています。
再来月の7月22日からは、新しい仏教入門日曜講座を始めるつもりですので、乞うご期待、です。