無碍光
5月11日は、本山で坊守会がありました。
今回は、回向文についてお話ししました。
「世尊我一心 帰命尽十方 無碍光如来 願生安楽国」
「願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国」
「我説彼尊功徳事 衆善無辺如海水 所獲善根清浄者 廻施衆生生彼国」
という3つの回向文です。
一心とは信心であり菩提心であること、阿弥陀仏とは尽十方無碍光如来であること、往相回向・還相回向について、常行大悲・自信教人信など、いろいろお話しさせていただきましたが、ここでは「無碍光如来」について少し書いてみます。
「無碍光」とは、「なにものにも遮られることのない光」という意味です。
たとえ、あなたにどんなことが起こってきたとしても、「あなたを必ず救う」という阿弥陀仏の光が遮られることはありません。阿弥陀仏があなたを救うはたらきを妨げるものは、何一つ存在しません。
また、煩悩がどれほど深くあなたを苦しめていようと、たとえあなたがどんなに重い業を背負っていようと、それらが阿弥陀仏の光をさまたげることはできません。どんなに深く苦しい海にたった一人で沈んでいようと、阿弥陀仏の光は必ずあなたに届いています。
どんなことが起こってこようとも、どれほど悪業煩悩が深くても、それらにさまたげられることなく、「必ずあなたを救う」と照らし続けてくださっている光が「無碍光」であり、そうやって私たちを照らし続けていらっしゃるのが、阿弥陀仏です。
その阿弥陀仏の光にふれたとき、生死の苦海と思っていた海が、実は本願海であったこと、そして自分が、その海に浮かぶ阿弥陀仏の大きな願いの船にすでに乗せてもらっていたことに気付かされます。そのとき、信心をいただきます。それが一心です。
そんな話をしてました。次回の坊守会は、6月14日です。