ばっちゃん

16日(金)の夜からは、月例法座でした。
今回は「人間は食物だけで生きられるか」を読みました。

息子に幽閉され、餓死させられようとしている頻婆娑羅王のような立場に立たされたとき、ただ食べ物さえあれば生きていけるのだろうか、というのが問いの入り口で、ひいては、我々は食べ物さえあれば生きていけるのか、と広がっていく問いです。

その中で、広島のばっちゃんのことを紹介しました。
ばっちゃんとは、ご飯を食べられない子どもたちのために、40年にわたって毎日無償で手料理を振る舞い続けた中本忠子さんのことです。
中本さんは、大人を信じない子どもたちから、「ばっちゃん」と呼び慕われています。
子どもたちがばっちゃんを慕うのは、ただご飯を食べさせてくれるから、だけではないでしょう。
中本さんが、無償の愛情をそそいでくれるからだと思います。
その上で、親身になって相談に乗り、一緒に考え、実際に行動し、寄り添ってくれるからだと思います。
そして、どこにもなかった自分の居場所を、自分が安心して自分でいられる居場所を与えてくれているからだと思います。

人は、食べ物がなければ、生きていけません。でも、食べ物さえあれば生きていけるというものでもないと思います。

梵鐘と公孫樹