三十七菩提分法
6月30日(水)は、津中日文化センターで「浄土三部経を読む」の講座の日でした。今は『阿弥陀経』を読んでいます。
『阿弥陀経』に「五根・五力・七菩提分・八聖道分」という言葉が出てきます。三十七菩提分法の後半部分に当たります。
三十七菩提分法とは、悟りに至るための三十七の修行法のことで、四念住・四正勤・四神足・五根・五力・七覚支・八正道の七科に分かれます。
以下、その内容を、備忘録として、簡単に書いておきます。
四念住
さとりを得るための4つの観想法。(旧訳では四念処、新訳が四念住)
- 身念住…この身は不浄なり、と観ずる(不浄観)
- 受念住…受は苦なり、と観ずる(一切皆苦)
- 心念住…心は無常なり、と観ずる(諸行無常)
- 法念住…法は無我なり、と観ずる(諸法無我)
初めは4つそれぞれ別に観じ、最終的には、すべては不浄であり、苦であり、無常であり、無我である、と4つを一つにする。
四正勤
八正道の正精進と同じ。さとりを得るための正しい努力。
悪いことはしないように
悪いところはなくすように
善いことはするように
善いところは増やすように
四神足
4つの自在力。さとりを得るための実践修行法の一つ。
- 欲三摩地断行成就神足…すぐれた瞑想を得ようと願うこと
- 勤三摩地断行成就神足…すぐれた瞑想を得ようと努力すること
- 心三摩地断行成就神足…すぐれた瞑想を得ようと心を集中すること
- 観三摩地断行成就神足…智慧をもって思惟観察して、すぐれた瞑想を得ること
五根・五力
さとりを得るための5つの能力とそのはたらき。
- 信根 信力 信
- 勤根 勤力 努力 → 四正勤
- 念根 念力 正念 → 四念住
- 定根 定力 正定 → 四神足
- 慧根 慧力 智慧 → 四念住
- 五根 五力 意味 展開
七覚支
さとりを得るために役立つ7つの事柄。
- 念覚支……正念、心で今の瞬間の現象を自覚すること
- 択法覚支…法の中から真実のものを選びとること
- 精進覚支…正精進、努力すること
- 喜覚支……喜びに住すること
- 軽安覚支…心身に軽やかさ・快適さを感じること
- 定覚支……正定、心が集中して乱れないこと
- 捨覚支……対象へのとらわれを捨てること
八正道
さとりを得るための8つの道。
- 正見…正しい見解、四諦を本当に理解すること
- 正思…正しく思うこと
- 正語…正しい言葉づかい
- 正業…正しい行為
- 正命…正しい生活
- 正精進…正しい努力
- 正念…正しい観察
- 正定…心を静めて瞑想すること